毎日おいしい!グルメ派猫がよろこぶ食事を考える
「グルメ派」の猫たち
猫はまるで「おいしくない!」と言っているかのように、同じ種類のキャットフードを食べることを避けたり、日によって十分な量を食べなかったりすることがあります。多くの飼い主さまは、そんなグルメな愛猫にごはんをおいしく食べてもらうため日々奮闘を重ねています。
猫にはネオフィリアという独自の習性があり「普段と違うものを突然食べたくなる」「新しい食べ物に好奇心をもちやすい」という志向が、私たちから見た愛猫のグルメな行動に通じているといわれています。
猫は、もともと集団ではなく単独で狩りをしながら暮らしてきた肉食動物です。狩猟生活において、1つの獲物にこだわって、他の栄養が豊富な獲物にありつけなくなることや満腹状態になってしまい狩りのチャンスを逃してしまうことは、生き抜くうえで死活問題だったと考えられています。
人と一緒に住むようになった今でも、いろいろなご飯を食べたくなる飽き性な性格や、食べムラがでる食べ方をするのはこういった生物学的な背景からですので、グルメな行動もうなずけます。
そんな肉食動物のグルメ派猫が喜ぶごはんとは、どのようなキャットフードなのでしょうか。
愛猫のためを思ったフード選び
お店にお買い物に行くと、たくさんのキャットフードが並んでいます。
缶詰やパウチなどのウェットフードからドライフード、豊富な味のバリエーションにたんぱく源の種類も動物性・植物性とさまざまです。
愛猫にいろいろなキャットフードを選んであげられる時代だといえます。
キャットフードの種類と特徴
ペットフード協会のデータ(平成30年全国犬猫飼育実態調査)では、「犬や猫に市販のドライペットフードを利用する割合は9割近くある」とする調査結果が出ています。
ドライフードは経済的で保管・管理がしやすいといった利点がある一方で、缶詰などのウェットフードは食事と一緒にたくさんの水分が摂れ、嗜好性が高いといった利点があります。
どちらか好みで選んでもいいのですが、災害時や病気といった緊急時に備えて、どちらのタイプでも食べることができるように慣らしておいてあげることが、グルメな猫には大切です。
主食には栄養バランスが調整されたフードを
市販で販売されているたくさんのペットフードの中には、ドライやウェットなど水分量を基準にした分類とは別に「総合栄養食」や「間食」、「一般食」といった分類の表示があります。
総合栄養食は、ペットの成長段階に合わせ必要な栄養素がバランスよく含まれている事が証明されているフードのことで、そのフードと水を与えるだけで健康維持ができるという意味です。総合栄養食と表示するためには、定められた試験を実施する必要があり、表示自体は事業者次第とされています。
こういった表示があると選びやすくなりますし、消費者としては嬉しいですよね。パッケージの表示にも注目してフードを選んでみてください。
グルメ派猫がよろこぶ食事!プレミアムキャットフードのおいしいひみつ
一般的に「プレミアムフード」と呼ばれるキャットフードには、その原材料に違いがあります。
フードのパッケージ裏面にある、原材料表をみてください。タンパク源として使用されている動物性たんぱく質は、生肉チキン、フリーレンジチキン、グラスフェットビーフなど、風味豊かで安心して与えることができるお肉が、バリエーション豊かに採用されています。
猫は肉食動物ですので、お肉がたっぷり入ったキャットフードは、消化しやすく嗜好性がバツグンです。更に品質もいいのであれば、安心して与えられます。
プレミアムフードは、一般的なキャットフードと比較すると値段が高めになってしまいますが、愛猫の健康維持と素材そのもののおいしさが際立つフードから得られる満足感は、単純に価格では比較できないのでお値段以上といってもいいのではないでしょうか。
愛猫の健康のために気にかけたい栄養素「タウリン」と「アルギニン」
市販されているキャットフードは、タウリンやアルギニンといった栄養素がバランスよく含まれています。
手作り食をメインに与えている場合や、おやつに偏った与え方をしている場合には注意が必要です。
栄養素:タウリン
肉に多く含まれる栄養成分です。肉食動物である猫は、タウリンを合成する酵素を作り出す能力を持っていないため、直接食事から摂る必要があります。タウリンが不足すると、心筋や眼細胞の異常、免疫や発育の機能にも異常をきたす原因となります。
栄養素:アルギニン
アンモニアの解毒作用に効果があります。肝臓や腎臓でも合成されますが、猫はその能力が低いといわれています。アルギニンが不足すると、アンモニアが体内に蓄積され、高アンモニア血症となり、死に至ることもあります。